忘れられない生徒⑤

TSUBASA塾は3月24日(金)より正式開校する生駒市さつき台の進学塾です。

3月24日(金)より全学年完全無料で春期講習会を行いますので、ぜひご参加ください。

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のちに灘高校に合格する生徒を担当したことがあります。

彼のことは今でも忘れません。

なぜなら、もっともノートが雑な生徒の1人だったからです。

 

雑、と言うとよくないイメージですが、彼の場合は「試行錯誤する姿」がそのままノートに現れていました。

1つの問題があったときに、どの方法からアプローチするか。

彼は方法①を試し、だめだと思えば方法②を試し、さらに方法③を試し・・・

その途中式や考えがノートにすべて表現されているのです。

 

それも、短時間で、複数のアプローチを試していました。

そのため、字は決して見やすいものではありませんでした。

ノートもまるで整っているものではありませんでした。

 

ですが、その点を注意したことは一度もありません。

彼が手を抜いているのではなく、むしろ問題を解くために一生懸命になっている姿だったからです。

それを教師側のエゴで注意して、教師の思うようにノートを書かせたところで、彼の良さが発揮できるわけではありません。

 

一部の能力に長けている人がいます。

数学の図形だけは得意。

国語の文章読解だけは得意。

理科の電流回路だけは計算が正確で速い。

社会の歴史だけはだれよりも覚えている。

 

そのような「得意」や「長所」を消す指導はしたくない。

そのときに改めてそう実感しました。

 

そして・・・

彼の能力の高さは言うまでもありませんが、

その能力の高い彼でもこれだけの試行錯誤を繰り返す。

(能力が高いゆえに繰り返せるという側面もあると思います)

これだけ試行錯誤を繰り返さなければ、力は身に付かない。

ならば、僕のような凡人はもっともっと手を動かして考え続けないといけないな・・・

そう思ったことも覚えています。

 

当たり前ですが、生徒は個性にあふれています。

その個性には学ぶべきところも尊重すべきところもたくさんあります。

これからもそんな個性を大切にしながら授業をしていきたいものです。