集団形式メインの塾であっても、個別対応が求められる場面は少なくありません。
個別対応を行う際に重要なのは、いかにスムーズに類題を提示できるかという点です。
質問が来た際や補習を行っている際、ほとんどの場合、何らかのつまずきがあります。中学3年生相手でも、中学1年生の内容に戻ることがありますし、中には小学生内容までさかのぼることもあります。低学年時で身についてしまった誤った解法や悪い癖が原因でつまずいていることも珍しくありません。
そのつまずきを見つけ出し、正しい解法を説明して「自力で解ける状態」に導くことが必要です。しかし、説明だけでは「自力で解ける状態」にはなりません。
ここで重要になるのが類題演習です。
ある程度解説を行った後に、「じゃあこれをやってみて」と類題を提示します。これには、できるかどうかを確認する目的があります。また、生徒が一人で解けた場合には「やったね!」「解けるようになったね!」と肯定する機会にもなります。このプロセスを繰り返すことで、生徒の中にある負のスパイラルをプラスへと変えていきます。
そのため、この仕事は日々教材には目を通しておくことが必要です。教材は、「ちょっとやってみて」としやすいかどうかで真価が発揮される部分があります。
個別対応では類題演習が果たす役割は非常に大きいです。生徒のつまずきを見つけ、適切な解法を身につけさせるだけでなく、ポジティブな学習体験を積み重ねることで、学びへの自信を育んでいくことが重要です。これが、指導者として生徒を導くための確かな手段であると考えています。